ドラマ陸王原作小説第12章のあらすじネタバレと感想考察



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ドラマ陸王原作小説第12章あらすじネタバレ

東京体育大学陸上競技記録会。れっきとした公式戦で、茂木は自分の狙ったタイムを出し復活ののろしをあげる。

村野がフィッティングして茂木が履いている見慣れぬシューズ、陸王に注がれる大手メーカー関係者たちの視線を宮沢は感じていた。

茂木からのフィードバックで出た改善点は細かいものになり、陸王の完成も間近となってやっと、量産を視野に入れた話をすることになった。

生産体制を作るためにある程度在庫を持つことにし、まずは主要取引先である大徳百貨店に置いてもらおうとするが、ブランド力のないこはぜ屋の陸王は門前払いされてしまう。

そこで宮沢は、陸王が人間本来の走りを追究して作ったものだということを前面に押し出し、共感する人に買ってもらうやり方にシフトすることにした。

 アトランティスの佐山は芝浦自動車の選手が練習しているグラウンドに出向き、部としてのウェアサポート契約をとろうと躍起になっていた。

その際、他の選手に対する影響力が大きい彦田という選手が陸王を履いているのに気がつく。

契約違反だとかみつく佐山に、彦田は練習で履くぶんには契約違反にならないはずだし、村野がアドバイザーとして勧めてくれるのなら履きたい、実際すごくいいとも思っていると反発する。

その裏には、テクニカルな助言をすることもなく、選手に合うシューズを提案しようともせず、会社の要求通りのシューズを売り込もうとする佐山への不満があった。

それでも佐山は自分の非に気付かないのか、選手の信頼を勝ち取っている村野への怒りを募らせる。

 なかなか結果の出ない陸王の販売。それでも実際に評価され始めていることで、コツコツ実績を積んでいくしかないと覚悟を決める開発メンバーたち。

村野から彦田に認められたという話も出て、メンバーの士気は上がっていく。

 佐山の悪巧みにより、茂木はこはぜ屋の内情が自分の思っていた以上に厳しいことを知る。

トップアスリートである茂木と、倒産するリスクを抱えているこはぜ屋ではミスマッチだ、という佐山の言葉が、茂木の胸底にこびりついて離れない。

 茂木はこはぜ屋に対する疑念をそのまま村野に打ち明ける。

村野はなぜアトランティスを辞めてこはぜ屋のアドバイザーになったのか。

真正面からアスリートに向き合って少しでもいいものを作る、そういう仕事がしたかったと自分の心の中を洗いざらい話したが、結局はいいと思うシューズを履けばいいと茂木に伝える。

 もしかしたら茂木はアトランティスに戻っていくかもしれない。

実際にRⅡを履いて練習する茂木を見て、宮沢は想像以上のショックを受ける。

陸王イコール茂木裕人、怪我で一線を離脱したランナーと不況業種に甘んじてきたこはぜ屋が結び付き、やがて復活を遂げるというシナリオを、勝手に描いていたのだと気がつく宮沢。

迷っているのは茂木だって同じだろうから、きちんと話すべきだと妻に説得され、宮沢自身も気持ちの整理を始める。

 茂木はRⅡがいいのか見極められないまま練習を重ねていた。

そんな茂木に佐山は、こはぜ屋の悪口を言ったり、見当違いの提案をしてばかり。

茂木はアトランティスに戻るはずだと勝手に思い込むのだった。

 通称ニューイヤー駅伝の区間走者が発表され、茂木は六区、平瀬がアンカーである七区を任されることになった。

陸王とRⅡの間で揺れる茂木は、宮沢から食事の誘いを受ける。

 駅伝出走のお祝いにと、こはぜや社員からのメッセージ色紙、神社で必勝祈願をした特別製の靴紐を渡す宮沢。

茂木に「他社のシューズを選んだとしても、応援し続けるということは変わらないから」と伝える。

「その人が気に入ったから、その人のために何かをしてやる。カネのことなんかさておき、納得できるものを納得できるまで作る」

陸王を作る中で生まれた人の絆を語る宮沢の言葉に、茂木はこみあげてくるものを感じていた。

ドラマ陸王原作小説第12章感想考察

茂木の公式復帰戦であり、陸王の公式デビュー戦。

宮沢としては大きく期待してしまった分、結果はそこそこと言ったところに留まる。

それでも、地道な努力を続けることで、陸王はじわじわと評価をあげていた。

それこそ人と人のつながりを感じる。ブランド力もなければ、大手企業でもない。

まさに、人から人への口コミで広がっていく。

はたから見れば、一番理想的な売れ方なんじゃないかと思う。流行り廃りなんかじゃない、完全なる実力勝負。

 そしてその実力がないものほど、卑怯な手段で人を落とし、相対的に自分の評価を上げる作戦をとる。

アトランティスの佐山は完全にこのタイプだ。

大手企業の看板を掲げれば掲げる程、自分の中身がないことが露呈する。

信用もなにもない。

こんな人は大手企業に居なければ誰にも見向きもされないのに、大手企業の看板しか見ない人がいるから勘違いしてしまう。

 でも、大手であれば安心だという時代はとっくに過ぎた。

今は完全なる実力社会。

そして、人と人とのつながりが希薄に思えても、やっぱり人情というものは決してなくならないわけで、信用できる人からの口コミというのは大きな力を持っている。

 その分、自分が信用できる人が周りにいるっていうのはすごく大事になっていると思う。

ビジネスでもなんでも、相手がいないと成り立たない。

その相手を見ていないというのは、仕事にすらなっていない。

それ以前の問題だ。それが佐山や小原にはわかっていない。

自分さえよければいいことなんて、何もない。

 その点、村野や宮沢、こはぜ屋の人たちは「気に入った人のために何かをしてやりたい。喜ばせたい」というところから商売がスタートしている。

自分の都合を押し売りしてくる奴なんかより、自分のことを考えたうえで、何かしてあげたいという気持ちで行動してくれる人と一緒に居たいと思うのは当たり前のこと。

 こはぜ屋の業績を心配し、陸王とRⅡの間で揺れる茂木に対し
「作り手がなにを考えどう作ったかは、履く人には関係ない。いいと思ったシューズを履けばいい」
と村野は締めくくったけれど、やっぱりこれはある意味真実ではないな、と感じた。

履くのも人であれば、作ったのだって人なのだ。

その肝心の人を見ない人たちが売るシューズを履いても、ただ履き心地や機能性しか感じない。

作った人の熱意や思いは、ただ履いただけではわからないかもしれない。

それでも、この人たちが作ってくれたんだから頑張ろう、期待に応えたい、という気持ちが大きな力を生むことってあると思うのだ。

人と人がつながることに意味があり、それこそが本当に大切なことなんだと思う。

それを感じさせてくれる終わり方だった。

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