砂川事件は憲法9条の平和主義と関連して出題される可能性がある判例です
憲法9条と合わせて覚えておきたいところです
行政書士試験で覚えておきたいポイントはここ
☑︎外国の軍隊は、たとえ日本に駐留していても、9条にいう戦力に該当しない
☑︎憲法の平和主義は決して、無防備・無抵抗を定めたものではない
☑︎最高裁判所は合憲・違憲の判断をしなかった
憲法第9条おさらい
2、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
砂川事件の概要
最高裁判決文を抜粋
憲法第九条はわが国が主権国として有する固有の自衛権を何ら否定してはいない。
わが国が、自国の平和と安全とを維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を執り得ることは、国家固有の権能の行使であつて、憲法は何らこれを禁止するものではない。
わが国が主体となつて指揮権、管理権を行使し得ない外国軍隊はたとえそれがわが国に駐留するとしても憲法第九条第二項の「戦力」には該当しない。
安保条約の如き、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、違憲であるか否の法的判断は、純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査に原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外にあると解するを相当とする。
(最高裁大法廷判決昭和34.12.16 最高裁判所刑事判例集13・13・3225)
最高裁判所は合憲・違憲どちらの判断もせず地裁に差し戻した
判旨
①戦力の意義
9条2項がその保持を禁止した戦力とは、我が国がその主体となってこれに指揮権・管理権を行使しうる戦力を言い、外国の軍隊は、たとえ我が国に駐留するとしても、ここにいう戦力に該当しない。
②自衛権の保障の可否
我が国が自由の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権利の行使として当然であるから、9条により我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、憲法の平和主義は決して無防備・無抵抗を定めたものではない。
砂川事件のその後…
差し戻し判決に基づき再度審理を行なった東京地裁は東京地裁は1961年3月27日、罰金2,000円の有罪判決を言い渡した。
この判決に基づき上告を受けた最高裁は上告を棄却し、判決が確定した。
当時のお金の価値は現在と比べると約4倍ということなので、罰金を現在の価値に直すと約8000円です
意外に安いですね